【京大カレー部 スパイス活動】カレーで人生は豊かになる【読みました!】

今日は読み終えた本の感想でも。

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今回読んだのは、京大カレー部 スパイス活動。

タイトル通り、京大カレー部の活動の一端が4代目部長 石崎楓さんによって綴られた一冊だ。部長の主観を通して語られるそれは、単なる活動記録を超えている。カレーとは何かを追い求める奥深いカレー評論であり、カレーによって豊かになる人生を記した詩的なエッセイである。

巻頭に掲載されたコミカルなカレー屋紹介イラストも楽しい気分にさせてくれる。そして、なかなかの情報量である。なるほど、京大カレー部ともなると、カレー屋のこんなところまで見ているのか。

本文は7章構成で、カレー基礎講座に始まり、カレー部研修記、地方遠征記、インド遠征記と続き、最後に国内のタンドール・メーカー社長へのインタビューで締めくくられる。

個人的には、最後のインタビューの章が一番お気に入り。ここだけ毛色の違う内容で、1冊の本の中で若干浮いている印象がある。もちろん、いい意味で。短いインタビューだが、日本におけるインドカレーの歴史のエッセンスが濃厚に詰まっている。インドカレーが好きな人は、思わず「へぇ」と口から漏れるはず。

これを1冊読めば、カレーやスパイス、インド料理に関してかなりの知識が得られる。だが、この本で重要なのはそこではない。「カレー」には人や動物、作物が関わっている。普段は奥に隠れ、簡単には見えてこない、そういったたくさんの生命やその繋がりをカレーは教えてくれる。そして、その気づきは人生のさまざまな場面をより豊かにしてくれるはずだ。それがこの本で語られたことだと思う。

まさにSpice Up Your Life!である。

作って、食べる。それに徹してもいいが、もう一歩進んでカレーと向き合ってみたい。そんな人にはぜひ、読んでもらいたいな。