レシピブックについて思うこと、そして僕なりの使い方。
今回はレシピブックについて思うこと、そして僕なりの使い方をまとめてみました。
クックパッドを筆頭にネット上には大量のレシピが無料で転がっている今、なぜレシピブックを買う必要があるのか。そのあたりにフォーカスしていきます。
レシピブックとレシピサイトの違い
まずはじめに、レシピブックとレシピサイトの違いについて僕なりの見解を。
両者とも「調理方法が文字と写真(時には動画)で説明されているもの」という点では全く同じです。
料理のタイトルと盛り付け例の写真がドドンと頭に載り、それから用意する食材・調味料とそれぞれの分量が箇条書きされ、そして、調理方法が順を追って説明され、ときどきTipsが挟まれる…といったフォーマットが一般的ですよね。
本でもサイトでもこの様式が守られています。だって読みやすいし、作りやすいですからね。
では、本とサイトの違いはなんなのか。
それはレシピのまとめられ方です。つまり、著者でまとまったものか、料理でまとまったものか、に違いがあります。自分でも分かりにくい説明だと思うので、もう少しダラダラ書きますね(笑)
レシピサイトは料理名でまとめられたもの
まず、レシピサイトから説明します。
レシピサイトを使うとき、大抵の場合は料理名や食材名で検索してみて、出てきた結果の中からビビッときたレシピを選ぶと思います。
このとき検索結果として並んでいるレシピの著者はそれぞれ異なります。ベテラン主婦だったり、一人暮らしの男子学生だったり。有名レストランシェフが匿名で…かもしれません。
色んな料理人のレシピが料理名でまとめられたもの、それがレシピサイトの特徴です。
レシピブックは著者でまとめられたもの
続いて、レシピブックについて。
レシピブックは一人(もしくは数人)の著者が考えたレシピが一冊まとめられたものです。
目次から料理名や食材名を探してレシピを見つける作業は、レシピサイトの検索によく似ています。ですが、あらかじめ著者が限定されている点に根本的な違いがあります。
レシピサイト的に考えると、はじめに著者名で検索して、出てきた様々なレシピの中から作るものを選ぶ流れになっています。
レシピサイトにも料理人名・著者名のまとめページがあるよ!と思う方もいらっしゃると思います。
そうなんです。レシピ著者の名前でまとめられたレシピブックみたいなページがあります。
でも、そのページ、よく見たらAmazonへのリンク貼られませんか?著者の個人HPやSNSへのリンク貼られてませんか?
結局はレシピブックの一部を切り出したものなので、そういったページはサイトというよりもレシピブックと言えそうです。
レシピブックから著者の思考を読み取る
長々と本とサイトの違いを述べましたが、言いたかったことはひとつです。
「レシピブックは著者が考えまとめられたもの」
大袈裟に言い換えると
「レシピブックは著者の思考が詰まったもの」
です。
どういうこと?って感じですよね。
例えば、分量。
Aさんのレシピで作る4人前は、僕基準だと3人前。だけど、Bさんのレシピで4人前は僕の場合5人前、みたいなことがあります。
分量少なめのAさんは「腹八分目で健康に!」とか「さらに他の料理も作って栄養バランスを整えよう!」とか考えているかもしれません。
分量多めのBさんは「満腹こそ至福だ!」「毎日料理は大変!一食一品でも立派!」という考えの持ち主かもしれません。
分量の違いから「この人、こう思ってるんじゃないかな?」と、著者の思考がぼんやりと見えてきます。
分量以外にも、調理にかかる時間、使う食材、写真の枚数、etc...
レシピの様々なところから著者の思いを想像することができます。
レシピブックを1冊コンプリートする
ぼんやりと見えてきた著者の思考をより鮮明に捉えたい…!
そんなときはレシピブックを丸ごと1冊コンプリートしてみるといいです。
レシピを片っ端からこなしていくことで、その根底にある考えや思いが帰納的に明確になってきます。
コンプリートは大変な作業です。
「料理の基本レシピ」だとか「お手軽レシピ」なら掲載されている料理のバリエーションに幅があるのでまだマシです。
カレーのレシピブックとなるとハードルが高まります。毎日カレーが歓迎される特殊な環境なら短期間で効率よくできますが、週一回だと長期戦を覚悟しなければなりません。
しかし、コンプリートによって得られるものを考えると、やってみる価値は十分あります。
レシピブックにない「もしも…」の一品を生み出す
レシピブックには思考が詰まっている。
その思想はレシピブックを丸々1冊コンプリートすれば見えてくる。
そんな話をしてきましたが、では、見えてきた思考はなんの役に立つのでしょうか。
その答えは、レシピブックにないオリジナルのレシピを生み出せる力がつくことです。著者の考え方がわかれば、食材をマイナーチェンジして自分の好みに近づけることができます。
例えば、レシピブックに載っているチキントマトカレーをちょっと変えて、オリジナルのポークトマトカレーにしてみようかな?と考えてみる。
ここで単純に鶏肉を豚肉に変更するだけではなくて、「このレシピの著者は豚肉のときはスパイスの配合バランスがこういう傾向だったな」と著者になったつもりで考えることができます。
完全に一からレシピを考えるときも、「もしも、あの著者がこのカレーを作るとしたら、玉ねぎはこの切り方だろうな」「このタイミングで一度火を止めるかな」「このスパイスは一番最後に入れるはず」と、存在しないレシピをあの人になりきりながら組み立てられます。
この「もしも…」の一品を新たに生み出すことに、思考を読みとった価値があると思います。
結論
レシピブックはレシピサイトと違い、著者の思考が詰まっています。
そんなレシピブックをコンプリートすることで、思考がより鮮明に見えてきます。
そして、その思考を道しるべに新たなレシピを生み出せるようになります。
これこそがレシピブックの最大限の活かし方なのかな、と僕は思います。
おまけ
なんだか偉そうなこと言ったので、お前はどんだけやっとんねん!というツッコミが怖いです笑
カレーのレシピブック、コンプリートは今は2冊だけ達成してます。
印度カリー子さんの「スパイスとカレー入門」
今日の晩ごはんはキドニー豆のカレー!最近、豆カレーの魅力にハマりつつあります。
— カレー人 (@_curry_jin_) 2020年1月13日
これにて印度カリー子さんの「スパイスとカレー入門」のカレー、制覇しました!
ホール5種パウダー5種に絞ったレシピなので各々がどう仕事するのかに集中しやすく、勉強になりました。
さて、次は何に挑戦しよかな。 pic.twitter.com/E9ax1z3oYF
and CURRYさんの「カレーレッスン」
and curryさんのレシピ本のカレー制覇しました!厳密には1つ作ってませんが…キウイを使ったカレーなんですけど、ノドが痒くなるので避けました😓
— カレー人 (@_curry_jin_) 2020年3月14日
スパイスの使い方はもちろん、食材のチョイスもめちゃくちゃ勉強になる1冊でした。一見すると奇抜なカレーも食べてみると美味しくて、驚きの連続でした😆 pic.twitter.com/UI8BkTG89P
現在進行中がこの1冊。
稲田俊輔さんの「本格インドカレー」
この本、今まで読んできたレシピと何か違うなと思ってたんだけど「レシピ本を装ったマニュアル」だと捉え直すと納得できるかも。
— カレー人 (@_curry_jin_) 2020年3月24日
まだまだ読み始めたばかりなので、また違う感想を持つかもしれませんが…
指示通りに作って、煮込み終わってフタを開けた瞬間の「これは美味いに違いない」感がすごい。 pic.twitter.com/0VV4oQx9c3
それぞれのレシピブックについて、後日詳しく解説してまとめたいと思います。とにかくこの3冊はおすすめなので、気になった方はぜひ!