ふとした瞬間よみがえるお袋の味/鶏となすのカレー風ピカタ

お袋の味。よく使われる言葉だが、みなさんはこの「お袋の味」と聞いてどんな料理を思い浮かべるだろうか。

僕は生姜焼きとお雑煮が頭に浮かぶ。生姜焼きはよく食べていたから。お雑煮は、少し独特で他では食べたことないレシピなので印象深いからだ。

そして、もう一品ある。「ピカタ」だ。

僕が小学生か中学生のとき、突如として現れた新メニューで、それ以降なぜか定番となる。当時はピカタなんて小洒落た料理を知るわけもなく、母も一言もピカタなんて言わないので、いったいどういった料理なのか知らずにこれまで過ごしてきた。おそらくだが、母自身、自分が作っているのが「ピカタ」だという認識がないんじゃないかな。どこかで見たものを見よう見まねで作ったんじゃないかと推測する。

ピカタとは、イタリア発症の料理の一つ。スライスした肉や野菜に小麦粉をまぶし、溶き卵にさっとくぐらせ、フライパンで焼いたものだ。

肉や野菜をそのままフライパンで焼くより、卵の衣がついた分、食欲をそそられる。パン粉をまぶし油でフライするより断然手間がかからないのもいい。

ピカタ単体では味が少々淡白なので、ソースをかけて食べるのが一般的だと思う。

母はケチャップとマヨネーズで作っていた記憶がある。非常にシンプルだ。

ところで、なぜ急にピカタを持ち出しかのか。

それは先日、レシピ本を読んでいて偶然見つけた「ピカタ」にどうも既視感を感じ、一体なぜなんだろう?と思案に耽っていると、ふと母の料理を思い出した、という経緯があったからだ。

記憶というものはすばらしい。何年も忘れていたことが、ふとしたきっかけで鮮明によみがえることがある。

僕も将来、だれかの記憶に残る料理を作れるようになるといいな。

 

今日の一皿

というわけで、今日は「鶏となすのカレー風ピカタ」。小麦粉をまぶす前にカレー粉で下味をつけて調理した。

f:id:spicecurry:20180308205813j:image

本来は、胸肉を薄くスライスして使うらしいが、冷蔵庫にモモ肉しか無かったのでそれで代用。

 カレー粉も卵も黄色。なので、当然ながら完成した料理も真っ黄色(笑)パセリの緑がよく映えます。

ソースは、トマト、ケチャップ、中濃ソースにガーリックパウダー少々のズボラソース。でも、これが美味いんだよね。

手軽な割にボリュームと豪華さがあるから、時間がないときにオススメの一品。もう少し辛めに味付けして、もう一度トライしたいかな。